介護ニュース

注目介護ニュース⑤
『2012年度の新介護制度で火がついた!!老人ホーム大手メッセージによる在宅介護のTOB』の記事について

:ダイヤモンド・オンライン 2月6日(月)7時0分配信

 介護報酬の改定については「在宅」「民間参入」「医療と介護の連携」「サービス対応力への評価」を、利用者と現場の混乱を余所に、更に進める方向性へ今まで以上に大きく舵を切った内容になっています。
そのことを象徴するような

「2012年度の新介護制度で火がついた!!老人ホーム大手メッセージによる在宅介護のTOB」(http://diamond.jp/articles/-/15988
ダイヤモンド・オンライン 2月6日(月)7時0分配信)

の動きも加速されていくでしょうし、
更に

「都市部の特養整備、融資要件を緩和- 福祉医療機構、融資率90%に」http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36570.html( 2012年02月08日 12:47 キャリアブレイン )

のように「やる気」と「資本力のある」法人への事業拡大を誘導する制度変更も併せて行われており、介護サービスを行っている法人も漫然としていられない状況で、介護サービスを提供する法人の生き残り競争も制度改正のたびに再編・淘汰が行われて、状況は外堀から徐々に埋まってきています。
特に特養整備の融資要件緩和の記事はもう一つの側面を持っており、

「急増する老人ホームに供給過剰が生じないか?――介護を産業として捉える 」(http://diamond.jp/articles/-/14993
【第39回】 2011年11月24日野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問])

「新しい介護産業の確立に向けて」http://diamond.jp/articles/-/15346
【第42回・最終回】 2011年12月15日野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

で指摘されている問題への対応としてとらえることも、介護保険の現状が決して今回の改正では簡単に解決しない問題で今後も更に「在宅」「民間参入」「医療と介護の連携」「サービス対応力への評価」を進めていかなければ制度破たんが避けられないという介護保険制度の問題の深さを認識するには必要なことではないかと思います。

利用者や現場からの視点は当然ですが、制度として「介護保険」が維持・機能していくことができるかの瀬戸際に立っているという認識が必要で、社会全体の問題としてこれからは誰の責任にもできない日本の最重要課題の一つになってきていると思います。

またそれが日本だけの問題ではなく他の先進国にも当てはまる問題であり、世界的な課題として考えていく必要があるということでもあります。
上記の

「急増する老人ホームに供給過剰が生じないか?――介護を産業として捉える 」(http://diamond.jp/articles/-/14993
【第39回】 2011年11月24日野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問])

「新しい介護産業の確立に向けて」http://diamond.jp/articles/-/15346
【第42回・最終回】 2011年12月15日野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

の記事には、以前週刊ポストの有料老人ホームの特集記事の際に紹介した団塊世代の老後の資産運用の問題や資産が高齢者に集中している日本の世代間格差の解消の問題も含まれています。

資産が集中している高齢世帯からの資産の移譲をどのように行っていくのか、その資産を日本の経済で流動させるためにどのような政策が必要なのかを試行錯誤しています。

また休閑地の有効利用についても併せて介護サービスを通じて資産を日本経済に流通させる方向性の改定となっています。

高齢者の資産をもとに融資が受けられるようにして利用料の自己負担をさせたり、新しい金融商品を開発して公的な制度としての枠組みを外して「介護サービス」をめぐるお金の流れを包括的に民間に開放して雇用面での賃金調達や事業投資等も自由にできるようにすることで、今以上に「介護サービス事業」間の「競争」をさせるという提案については自然に具体化が進んでいくと思いましたが、

最終的な提案の一つである、経営が上手くいかなくなった中小の製造業から土地と人材を介護事業への移転を進める内容については、数字的には解りやすい一つの議論・方法ではあると思いましたが、なかなか難しい面があるのではないかと思いました。

文:sevens luck

注目介護ニュース④
『介護に疲れつい養母に手を出そうとした監督 自己嫌悪に陥る』の記事

:女性セブン2011年2月24日号

 海外の著名な映画賞を多数受賞した映画監督の河瀬直美さん(41)は映画づくりに励む一方で、自身の育ての親である養母の介護という現実に直面してきた。1992年に映画監督としてデビューした河瀬さんは1997年に映画『萌の朱雀』がカンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞し、同じ年に27才で結婚した。

 しかし2年半で離婚。高齢の養母を慮って奈良市内に一戸建てを買って同居を始めた。

 養母に異変が起こったのは2001年初めだった。急に怒りっぽく、何度も同じ話を繰り返すようになった。医師の診断を受けると「認知症のようです」と告げられた。河瀬さんはショックを受けたが、周りには介護をしている友人もおらず、誰にも相談できなかった。

 「介護の終わりは養母の“死”だと考えることがすごくつらかった。物理的な面より精神面がきつかったですね」(河瀬さん)。発症当初から養母は夜間に家の中を歩き回ることがあった。転倒は命取りになりかねない。養母の行動から常に目が離せなくなった。

 苦労と努力を重ねながら介護を続けていたが、2003年の夏に転機が訪れた。河瀬さんが交際相手の子供を妊娠したのだ。これを機に再婚し、養母の世話は仕事のスタッフや介護ヘルパーに任せ、東京で暮らすようになった。

 しかし日ごとに、養母の病状は進行していた。置き忘れたりしまい忘れたりしたものを「盗まれた!」と思い込む“もの盗られ妄想”が強くなり、夜中に突然叫び出す。何度注意しても部屋の明かりやエアコンを消し忘れ、水道の蛇口をしめない。ささいな行動の積み重ねが妊娠中の河瀬さんには重くのしかかった。

 「妊娠中はホルモンのバランスが崩れるので、養母が変なことをいいだすと、ものすごくストレスになりました。“いつか手をあげてしまうかも”と何度も思いました。

 夜中にトイレ介助をしながら“このままずっと続くんじゃないだろうか”“もっとひどくなるのでは”と思いつめていきました。希望がないことがつらかった」(河瀬さん)

 ある日、ゴミの分別方法を注意したことに口答えした養母に苛立ち、思わず手が出そうになった。すぐにその場を走り去り、衝動が収まるまで両腕を押さえてうずくまった。自分が許せなかった。

 「介護疲れでイライラし、私のことを大事に育ててくれた養母を嫌いになる自分自身が許せなかった。“なんて悪い人間だろう”と自分を責めました」(河瀬さん)

 2004 年春に河瀬さんは助産師立ち会いの下、養母に見守られながら長男を出産した。新しい生命が誕生し、河瀬さんに変化が訪れる。赤ちゃんの姿を見て、命は“順送り”に受け継がれていくものだと思うようになった。子育てをしながら、生活すべてを介護に捧げなくてもよいと思えるようになった。

女性セブンの記事へ

女性映画監督の河瀬さんがお母様の介護をされていることは知りませんでした。「ショックを受け・・・」「誰にも相談できなかった。」「手が出そうになった。」「物理的な面より、精神面がきつかった。」と認知症介護のリアルな状況を伝える記事。自分の出産が、母親の介護に追い詰められていた自分が置かれている状況についての視点を変えるきっかけになったと語られています。夜間の徘徊もある認知症の養母から「目が離せなくなった」状況で、日々の余裕のなさから心身ともに疲れて自分の置かれている状況を客観的に見つめなおすことは、なかなか難しいのではないかと思います。ある意味それまでは介護の負担にもなったであろう妊娠、出産という出来事が、追い詰められていた彼女の介護に対する視点を変えてくれたということに、人生の機微を含めて、女性の力強さを感じずにはいられませんでした。(sevens luck)

注目介護ニュース③
『認知症患者は「漫才のボケ」と割り切ることも介護のコツ』の記事

:女性セブン2011年2月24日号

  1992年に映画監督としてデビューした河瀬直美さん(41)。1997年には『萌の朱雀』でカンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)を受賞、さらに2007年の同映画祭では『殯(もがり)の森』で審査員特別大賞を受賞した。順調に映画監督のキャリを重ねていく一方で、私生活では2001年から認知症の養母を介護している。

 周囲からは「強くて明るい人」というイメージをもたれることが多い河瀬さん。そのため、介護がつらくてもなかなか弱音を吐き出すことができなかった彼女は、長い苦しみを経て人を頼ることの大切さを学んだという。

「家族だけで介護を抱え込もうと思わず、地域や他人を頼ればいい。甘えればいいんです。本当に『私、無理です』っていっちゃうとか。日本は女性が介護や家の中のことを全部やるという風潮がまだ強いけど、人を頼ればいいんですよ」(河瀬さん)

 現在、河瀬さんは歩行や食事が困難になった養母をグループホームに預け、時間の許す限り面会に訪れている。

 実際に親が認知症になったらどうすべきだろうか。介護アドバイザーの青山幸広さんは、河瀬さんのように“身近ゆえに苦しむ”ことは当然という。

「元気なころの父や母のイメージが強いので、身近だからこそ“なぜこんなことに”とやりきれません。オムツの交換や徘徊の監視を一生懸命やるほどつらくなります。現実を受け入れて、認知症は赤ちゃんに戻っていくことだと納得し、“お母さんはこんなふうに変わっていくんだ”と楽しむ気持ちが大事です。漫才のボケの人なんだ、そんなふうに、気持ちを切り替えてみることも大切なんです」(青山さん)

 河瀬さんのように“頼る姿勢”も必要だ。

「施設に預けることをマイナスと思う人が多いですが、ひとりで抱え込むのはいちばんよくありません。介護は誰かに相談できないとすごく苦しいもの。デイサービスに預けているときにお茶会をするなどのガス抜きは、すごく大事です。預けることに自責の念があっても、時間のあるときに面会に行けばいいんです」(青山さん)

介護と仕事、子育てを“三立”し、無理なく続けていくためには、ヘルパーやデイサービスを上手に使うことが大切だ。100%完璧な介護などないのだから。



女性セブンの記事へ

認知症介護における家族の負担は、家族であればこそ孤立してしまい、身体的にも精神的にも追い詰められる状況が多いのではないでしょうか。映画監督の河瀬さんの養母の介護についての家族の気持ちの持ち方に対するご意見は、経験者であるからこそ言える深いアドバイスだと思います。「甘えればいいんです」「人を頼ればいいんです」「楽しむ気持ちが大切」「気持ちを切り替えてみることも大切」「ひとりで抱え込むのはいちばんよくありません」「100%完璧な介護などない」などの意見は、経験者でないと無責任な意見ととられかねませんが、認知症である養母の介護の経験を通じてたどり着いた境地から出ている言葉で、基本的には河瀬さん自身が養母とのかかわりを最期までしていくという基本的な姿勢に裏打ちされている重い言葉だと思います。「(sevens luck)

注目介護ニュース②
『EBMの導入などで医療の「悪平等」解消を-経済評論家・勝間和代氏に聞く』の記事

医療介護CBニュース:2012年01月06日 12:00 キャリアブレイン

 昨年末に発表された2012年度の診療・介護報酬の同時改定の改定率は、診療報酬全体で0.004%、介護で1.2%という、わずかな引き上げにとどまった。報酬が伸び悩む状況について、「医師不足を解消するためにも、医師に対しては十分な報酬を出すべきです。介護従事者についても同様です」と主張するのは、経済評論家の勝間和代氏だ。その一方で、勝間氏は、現状の日本の医療提供体制を「悪平等」と断じ、EBM【編注】の普及や、混合診療の拡大などの“処方せん”で、その解消を目指すべきと訴える。経済評論家の視点で考えた医療や介護、そして社会保障のあるべき姿とは―。(多●正芳、●は木へんに朶)


【編注】根拠に基づいた医療。治療や投薬が医学的にも経済的にも有効かどうかを評価し、有効と証明された医療。


■「消費税アップの前に納税番号制導入を」


―昨年、税と社会保障の一体改革の成案が示され、社会保障制度を維持するため、「10年代半ばまでに段階的に消費税率(国・地方)を10%まで引き上げ、当面の社会保障改革にかかる安定財源を確保する」ことが提言されました。


 確かに、将来的には、消費税引き上げも必要になってくるでしょう。ただ、その前に、現状の課税漏れがどのくらいあるかをはっきりさせる必要があります。納税番号制の導入も急がなければならないでしょう。言い換えるなら、税制上の“穴”を埋めてからでないと、新たな負担を導入しても、あまり意味はないということです。また、デフレが続いている状況で税率だけ上げても、景気が悪化してかえって税収が減るだけです。1997年の消費税増税による景気悪化で、税収全体は約5兆円も減ったという教訓を忘れています。
 もう一つ、消費税率を上げる前に、本格的に取り組むべきことがあります。「シルバー資本主義」がもたらす、さまざまな不公平を解消することです。


■高齢者への優遇が生み出す弊害とは?


―シルバー資本主義とは、何を意味するのでしょうか。


 高齢者に対する過度な優遇と、それに伴う社会資本の高齢者への偏在を指します。一例を挙げるなら、14歳以下の子どもに対する公的財源の直接支給と、65歳以上に対する公的財源の直接支給の割合は1対11です。他の先進諸国では、この比率は1対1程度です。さらに、デフレーションの局面にありながら、年金支給を物価スライドさせなかった結果、7兆円ほどの過払いが生じてもいます。


―高齢者の貧困も問題になっていますが。


 もちろん、年齢に関係なくセーフティーネットは不可欠です。しかし、現役世代並みか、それより多くの収入を得ている高齢者も少なくありません。そんな人たちにまで、年金を支払ったり、医療費の自己負担を1割に抑えたりする必要があるでしょうか。
 何よりも問題なのは、高齢者への過度な優遇が、若い世代が得るべき社会資本を奪っている点です。その結果、生じているのが、子どもを産まない若年層の増加です。実際、子どもを産める世帯の年収は、ここ10年で50万円ほど減っているのです。教育費全体における公的資金の支出の割合も3.4%にすぎません。5%台が当たり前のOECD(経済協力開発機構)諸国の中では、かなり低いですね。その結果、日本では、国立大学の学費ですら、年間50万-60万円程度とかなり割高となっています。ちなみに、OECD諸国では、国立大学の学費は年間10万-20万円程度です。


■医療・介護の無駄と、世代間の負担の不公平解消を


―シルバー資本主義は、医療や介護には、どのような影響をもたらしていますか。


 公的な医療保険制度や介護保険制度の維持を難しくしている点が、最大の影響でしょう。


―医療保険や介護保険を維持するために、今できる“処方せん”としては、何が考えられるでしょうか。


 簡単に言えば、無駄を省くことです。
 日本では、どこまでを地域診療で担当し、どこからをより高度な医療機関で診るのか、その線引きがいまひとつ明らかではありません。そのため、過剰な医療提供が横行しています。その典型例と言えるのが、薬の重複投与でしょう。
 また、終末期に入り、回復が期待できなくなった患者を無理に延命させるためだけに、大量の薬剤と人員を投入するやり方も、再検討が必要なテーマと思えます。一方でホスピスの整備や、病気の予防への資金投入は、もっと必要ではないでしょうか。介護については、生活援助をどこまで公的保険の範囲でカバーするかなどの課題があります。
 もう一つ必要なことは、世代間の負担の不公平を解消することです。繰り返しますが、高齢とはいえ高所得者の医療費自己負担を1割にとどめる必要があるのでしょうか。また、介護の自己負担についても、検討の余地があります。さらに言えば、医療と介護が、別々の保険でサービス提供されている点も解決すべき課題と思います。


■将来は医療保険・介護保険の一体化を


―医療・介護の両方の公的保険を一体化すべきということでしょうか。


 将来的には、そうすべきです。今回の同時改定でも議題となった医療と介護の連携も、両方の保険が一本化すれば、おのずと実現できます。2つの保険の境界にある分野で生じる無駄も省くことができるでしょう。もちろん、簡単にできることではありませんが、両者が一本化することを目指し、動きだすべきです。


―ところで昨年末、政府は、診療報酬の改定率は本体で1.379%、介護報酬の改定率は1.2%アップとしました。現役世代が減り続け、税収の増加が期待できない状況を思えば、今後も医療従事者や介護従事者の報酬は、それほど上がらない可能性もあります。この点、どうお考えでしょうか。


 医師不足を解消するためにも、医師に対しては十分な報酬を出すべきです。今後、より多くの人手が必要とされる介護従事者についても、同様です。ただ、その前提として、報酬も含めた日本の医療の「悪平等」を解消する必要があります。


―悪平等とは刺激的な言葉ですが…。


 今の日本の医療の現状を思うと、そう断じざるを得ません。例えば、現在の診療報酬では、新米の医者も、すご腕の名医も、同列に評価しています。これでは、医師として長く働き、スキルアップを図りたいという気持ちは起きにくいのではないでしょうか。さらには、他の治療に比べて予防に対するインセンティブは弱くなっています。
 まずは、スキルによって報酬を変える体系を導入すべきです。そのためにはEBMをもっと取り入れて、各医師の治療に関する情報を開示させるべきです。さらには、混合診療をある程度、認めることで、柔軟性を認めることも必要です。


■セーフティーネットの医療と市場性の医療


―混合診療の導入は、国民皆保険の崩壊につながると強く反対する意見も少なくありません。


 混合診療の導入が、なぜ国民皆保険の崩壊に直結するのでしょうか。そんなふうに懸念する理由が全く分かりません。混合診療を導入した歯科の公的保険は崩壊したでしょうか。
 とにかく、医療でもセーフティーネットとして機能する部分と、市場性に任せる部分とを分けた方がいい。その両方の観点から医療の在り方を考えるべきなのです。ところが、日本は、医療のすべてをセーフティーネットで扱おうとするから、おかしなことになるのです。いわゆる医療ツーリズムを考える上でも、この点は大きな弊害となっています。
 ちなみに、現状のまま医療ツーリズムを推進しても、成功するかどうか、疑問が残ります。確かに、日本の医療レベルは、決して他国に劣るものではないでしょう。しかし、他国の富裕層を呼び込めるほどの技術とサービスを提供できているとは、ちょっと思えません。


―医療で“稼ぐ”ためにも、まず、セーフティーネットとしての医療と、市場性に任せる医療を明確に分ける必要があるということですね。


 そうですね。ただ、ビジネスとしての医療の進歩を促すことだけが目的ではありません。このまま、悪平等の医療提供体制を続ければ、医療資源の不足がさらに深刻化するのは目に見えています。そうした状況を避けるためにも、セーフティーネットとしての医療は何なのか、改めて考える必要があると思うのです。


―混合診療の導入・拡大は、一人ひとりの患者や医師には、どんな影響を及ぼすでしょうか。


 患者にとっては、医療に対する関心を高める契機となるはずです。同時に治療のバラエティーが広がるというメリットがあります。ちょっとでも保険外のサービスを提供したら、すべてが自由診療となってしまう現状の懲罰的な制度では、保険適用がない最先端治療を受けるのは極めて難しい。見方を変えれば、日本で最先端の治療を受けられるのは、自由診療に耐え得る財力を持った人だけ、ということになります。
 医療従事者にとっても、自分たちの努力が業績に直結するというモチベーションを得られます。そうしたモチベーションは、日本の医療そのもののイノベーションにも結び付くはずです。
 混合診療の導入を真剣に検討すること。そして、規制を緩和し、EBMに基づく医療を実現すること。日本の医療の悪平等を解消するため、早急に実現を検討すべきことだと思います。

掲載サイトへ

今後の超高齢者社会において社会保障制度の財源確保と負担をどのように再編して制度破綻を防ぐのか今後さらに大きな問題になっていきます。日本経済の危機以上に日本の社会保障の危機の方が大きいと言っている評論家もいるほどで、2050年には10人に4人が65歳以上になりますので、このままでは普通に考えても社会保障制度を維持することは困難となります。医療介護の無駄と世代間の負担の不公平の解消には、医療制度や介護保険制度の大きな変革を必要としています。我々のセーフティネットである医療や介護は、年齢や世代に関係なく受けることができないといけませんが、それを誰がどのように負担していくのかについては各自の価値観によって意見があると思います。経済評論家の勝間さんはかなり突っ込んだ議論をされておられます。高齢者に対する過度な優遇と社会資源の偏在が、医療保険制度や介護保険制度の維持を困難にしている要因との認識を示しています。この意見を現在の高齢世代や介護を受けている人やその家族がどのように受けとめるのかという心配もありますが、現状の日本の状況と社会保険制度の今後を考えた場合には勝間さんの現状認識はしっかりとしたリサーチをされた結果のお話だと思っています。必要な部分と無駄な部分を浮彫にしていくことについても医療保険と介護保険を一本化する必要性を訴えておられます。介護も医療も必要としている人に必要な支援が行える制度でないといけませんが、必要性については主観的な部分もありますので、多くの議論が今後必要になるでしょう。(sevens luck)

注目介護ニュース①
「在宅支援を強化、滋賀県高齢者介護プラン改訂案」

京都新聞:2011年12月24日 11時16分

 滋賀県は、高齢者福祉計画と介護保険事業支援計画からなる「レイカディア滋賀プラン」の改訂素案をまとめた。対象期間は2012~14年度で、人生の最後まで自宅で過ごす「在宅看取(みと)り」や「介護予防」に向けた基盤整備、機能強化を打ち出した。県民の意見を募集したうえで来年3月までに策定する。
 介護保険制度の見直しなどを踏まえ、3年ごとに改訂している。65歳以上の人口割合は昨年の20・5%から15年には24%に上昇し、必要な介護サービス量も増える見通しで、市町の取り組みを支援する体制を強化する。
 素案は、在宅サービスを重視する方向性を一段と鮮明にした。来年度から介護保険で始まる24時間対応の訪問介護看護の提供体制づくりを後押しするほか、地域の病院や診療所、福祉機関が利用者の情報を共有する連携拠点を14年度までに8カ所新設する。在宅看取りを支える看護師やヘルパーら向けの研修も始め、14年度に600人の参加を目指す。
 介護予防にも力点を置き、支援員の養成や民間主導での要介護度改善事業などを推進する。介護保険の適用外となっている若年認知症の相談体制拡充も初めて盛り込んだ。
 現在、県内各市町が今後の介護保険事業の需要見込みなどを算定中で、県元気長寿福祉課は「在宅支援とともに、利用者のニーズに合った施設整備も推進したい」としている。
 県は来年1月21日まで県民の意見を募っている。素案はホームページに掲載したほか、県環境・総合事務所などに備え付けた。

掲載サイトへ

介護保険制度は来年度から「24時間訪問サービス」を開始して、在宅介護の充実を図ろうとしています。予算のかかる箱ものといわれる老人ホームの待機者対策として、高齢者住居の規制緩和と並行して行われるものです。地方分権の流れとともに、厚生労働省が決めた大枠をもとに、地域主体で保険者が介護保険制度の運営を進めていく必要が大きくなってきます。社会資源としての介護インフラを整備するための保険者である行政区の責任も大きくなりますので、ニーズについては利用者の意見を聞きながら進めていくことが介護保険の趣旨からして最も必要なことだと思います。(sevens luck)