マイケアプランは介護保険を救うかもしれない

現在の介護保険制度の状況を踏まえて、介護のIT化をうまく行えば介護保険制度の運用を効率化できて、財源確保も行えるのではないかという提案として書かれた「介護保険3.0」の、ネット上での閲覧数が1000件を超えましたので「マイケアプランは介護保険を救うかもしれない」と改題して全文を掲載いたします。
 昨年2011年7月にネット上に掲載したもので、内容の修正やそれ以降のIT技術の進歩を踏まえた第二弾も予定しております。

1章

はじめに

 介護保険制度が始まって10年がたちました。「介護保険料」は対象年齢になったすべての人が保険料を支払っていますが、実際に介護保険サービスを利用している人は一部に限られています。対象となった人の半分以上の人が介護保険制度のサービスを利用していないと聞いたことがあります。

 介護保険のサービスを受けることなく健康に過ごすことはとても素晴らしいことなのですが、その介護保険制度の財源が足りずに制度の維持が危ぶまれていることも報道等でご存知ではないでしょうか。「保険料の値上げ」等の財源確保の議論があり、賛否両論のなかで次回の平成24年度の介護保険制度の改正法案も決議されました。

 では我々が納める保険料が使われる介護保険制度がどのような仕組みで、どのように運営されているのかご存知でしょうか。

 たとえば、介護保険のサービスを利用するためには、「介護認定」を受ける必要があり、その認定には区分や期間、利用料の制限が「介護度」ごとにあり、定期的にその認定も更新していかなければならないこと、また実際に介護保険サービスを利用するようになると、ケアマネージャーが毎月自宅を訪問して持参した書類に判子を押さなければならないこと等、介護保険料は払っていても介護保険制度の基本的なプロセスや運営状況等をご存じない方も多いのではないでしょうか。

 公的なサービスですから、決まりや制約があることは仕方がないことですが、介護保険は10年を経て、3年や5年毎に制度等の改正を繰り返しながら、「介護ベット、車いすは要介護2以上でないと原則利用できない」や「同居家族がいる場合は原則ヘルパーに家事は頼めない」等の制約を設けて介護保険制度を「維持する」ための試みが現在も続いています。

 新聞などで「介護保険制度の改悪」と書かれた記事を目にすることもありますが、介護保険制度を維持する財源が不足しているということであれば、制度を維持するために制度の効率化をすすめていく方法も模索していかなければならないと思います。

 本書の内容は、実際に介護サービスを提供している「ヘルパー」や「デイサービス」等への「介護保険給付費」の削減ではなく、「介護認定」と「介護サービス」を受けるまでのプロセスや「給付管理」等の「ケアマネージャー」が現在行っている業務の一部を効率化して、「介護保険給付費」の削減を目指すことを目的にしています。

 そのためには今後、水道や電気等と同じ「インフラ」となる「it」技術を大胆に介護保険制度に導入していく必要があると思っています。すでに部分的には導入されていますが、介護保険制度の要ともいえる「ケアマネージャー」業務を「it」技術で、さらに効率化することができれば、介護保険制度の運営全体も効率化されて、同時に財源確保も夢ではないと思っています。

 かなり楽観的な提案かもしれませんが、どちらにしても現在進行中の「地域包括ケア」と並行した「it」技術の積極的な導入は介護保険制度の維持に必要になることは間違いないと思います。それをどのような形で行うのか、いろいろな方法があると思いますし、議論が必要ですが、そのひとつとして私なりの提案をさせていただききたいと思います。

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2章

「介護保険制度」で要となっているケアマネージャー業務がどうのような業務を行っているのかご存じでしょうか。

 介護保険制度の仕組み上、利用者や家族、保険者からの情報が集中しているにもかかわらず、個人情報等の規定でがんじがらめになって、外から業務内容が分かりづらい「ケアマネージャー業務」について大まかな説明をしておきます。

 「ケアマネージメント業務」には、

○介護保険制度、サービス利用方法についての利用者への説明

○介護認定の申請の支援

○サービス事業所の調整

○サービス計画書、サービス利用票、提供票の作成・配布

○主治医、サービス事業所とのサービス担当者会議の調整・開催と会議録の作成

○毎月の自宅へのモニタリング訪問(この時にサービス利用票を持参して署名と捺印をしてもらいます)とモニタリング記録の作成

○毎月の経過記録の作成

○毎月の介護保険給付費の請求管理

○利用者や家族からの相談業務

等があります。

 大きく分けて、制度上「運営基準」として決められた事務業務と、担当している利用者や家族、サービス事業所等から不定期の「相談業務」があります。

 サービスを利用している状況は利用者の希望や状態で様々で、歩行器をレンタルするだけの利用者もいれば、ヘルパー、デイサービス、ショートステイ、訪問看護、訪問リハビリ、介護ベット、車いすレンタルと介護保険で提供できるサービスをほとんど利用しなければ在宅生活を継続していくことが難しい利用者もいます。

 そのすべての利用者に対して、上記の業務内容を行わなければなりません。

 たとえば「サービス担当者会議」については

○サービス内容の変更時

○介護認定の更新時

○認定期間中に身体機能等の状態が変わった時に、認定区分と状態が合わなくなった際に申請をする区分変更申請時

○サービス内容や事業所の変更時(歩行器レンタルだけでも開催しなければケアマネージャーへの減算)

等においてしなければなりません。

 その担当者会議で話された内容を「担当者会議の要点」に記録して、担当者会議で決まったサービス利用の趣旨を「介護サービス計画書」にまとめて、具体的なサービス利用日や利用料を「利用票」「提供票」に記録して、利用者やサービス事業所に配布します。

 その「介護サービス計画書」はサービス内容に変更がなくても任意の期間に更新したものを作成・配布します。

「利用票」については毎月作成して、利用者宅を訪問して署名、捺印、控えを渡して、同じ内容のものを「サービス提供票」としてサービス事業所に毎月配布します。

 月途中でサービス内容や利用日変更があった場合にはその都度「利用票」「提供票」も変更、配布が必要になります。

 次に毎月の「モニタリング訪問」は自宅を訪問して、利用者の状態に変化がないか、計画書通りにサービスによる支援が行われているか確認します。確認内容は「モニタリング記録」として作成しなければなりません。

 訪問時に利用者から体調や生活状況等を確認して必要があれば主治医に確認、またサービスへの不満があれば、サービスを提供している事業所にその都度確認を行っていくことになり、本人からだけでは事実確認ができない場合は、その確認や調整が何日にも及ぶこともあり、他の業務と並行して業務が雪だるま式に大きくなる場合もあります。

そして、その経過は「経過記録」に記録していかなければなりません。

 また、毎月利用した介護サービスの「利用料」の1割は利用した利用者が負担しますが、残りの9割分をサービス提供をしたサービス事業所へ保険から支給してもらう必要があります。

 その「給付費の請求管理」もケアマネージャーの大切な業務です。

 「請求管理」につきましては、サービスが提供された翌月10日までに、サービスを提供したヘルパーやデイサービス等の事業所とケマネージャーで、利用実績をFAX等で確認して、利用者が自己負担する1割以外のサービス利用料の9割分を、サービスを提供した事業所へ給付してもらうための書類を、ケアマネージャーが準備して「国民健康保険団体連合会」に毎月10日までに提出します。

 これが遅れると、そのケアマネージャーが担当しているサービス事業所の利用料の9割の給付がすべて滞ることになります。


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3章


最後に、ケアマネージメント業務の中で、そのケアマネージャーの力量をもっとも要すものに、利用者や家族からの「相談業務」があります。

 利用前の「アセスメント」での関わりからサービス利用の調整、その後の体調や生活全般での相談や、「社会資源」の情報提供等、相談業務の内容は様々です。

 その利用者が亡くなるまでの期間について、その利用者や家族の状況に付き添うことになります。

 「モニタリング訪問」時に解決する相談もあれば、利用者や家族、サービス事業所から連絡が入って、緊急で訪問しなければならない場合や、関係事業所への確認や報告と、問題が解決するまでその業務は続きます。事業所への不満や苦情の場合は事業所変更に至る場合もあり、その調整、担当者会議の開催とその業務は雪だるま式に大きくなっていきます。

 たとえば利用者からサービス事業所への苦情があった場合には注意が必要です。苦情対象となった事業所に他の利用者のサービスの利用を依頼していたり、別の利用者の利用の相談をすることもあるので、関係が悪くならないように利用者からの苦情伝達には気を使います。いわゆる板挟み状態で業務を進めていきます。

 もっとも辛いのは、利用者、家族、主治医、事業所それぞれの考えがバラバラで、サービス調整が進まないことに対して、ケアマネにその負担全部がのしかかって来るケースはケアマネ業務でもっとも大変な局面の一つとなります。

 例えば家族の意向とサービスを提供する事業所の体制的な許容量の折り合いがつかずに、双方に温度差があるような場合、ケアマネージャーにはどちらの意見も理解できますので、どちらの側にも立てないことで方針がたたず、周りからはケアマネージャーの能力を問われるような発言も出たりすると、複雑な心境が理解されない大変なストレス状態となります。

 また認知症の利用者への制度やサービス説明等について、その利用者が第三者に対して「ケアマネージャーからの説明を聞いてない」等の訴えをして問題となるケースは、家族や主治医、関係事業所での担当者会議での確認と担当者会議録での記録をつけていても、予想外の問題が予想外のタイミングで発生することもあり、整理するための連絡や調整に、進行中の業務を中断することもあります。

 複数の利用者で、苦情やサービス変更等の調整が同時に必要になる場合は、大変な業務内容となりますが、個人情報の関係で誰にもそのことを言えない状況で、周りからのプレッシャーのなか孤独な業務が続きます。

 かなり複雑な調整を行っても、誰もそのことに気付いてくれませんし、逆に気付かせないようにすることもケアマネージャーの技術かもしれません。

 細かく言えばまだありますが、概ね以上のような業務を、年1回の資格試験をクリアしたケアマネージャーが運営基準で制限されている35名程度の利用者において行っています。

 このようなケアマネージャー業務を介護保険制度が始まる前から行政からの措置として予算を受けていた社会福祉法人や、介護保険制度が始まって以降、民間の委託法人で「居宅介護支援事業所」のおいて行っていますが、個人情報の問題でなかなか業務の実情が表に出ない状況が慢性的に続いていますが、最近は、その重い業務を密に担ってきたケアマネージャーに対して、不要論まで出ているという報われない状況が続いています。

 さらに「居宅介護支援事業所」の発展系として、区役所等のケースワーカーが以前行っていた業務も「地域包括支援センター」設置の規定を設けて、社会福祉法人や民間法人に委託するようになってきており、地域の相談業務や、介護を必要とする前の状態にある予防状態の高齢者支援や、地域のネットワーク作り等を推進するよう業務を行うようになっていますが、社会福祉士・保健師(看護師)・主任ケアマネージャー等の配置が必要で、民間法人で担う受け皿が整備されないまま、制度だけ独り歩きしている地域もあるようです。


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4章


 次に介護保険制度のサービスを受けるにあたっては必ず「介護認定」を受けなければなりませんが、「介護認定」「介護認定更新」の際に受けなければならない「認定調査」と、介護サービス利用前の「アセスメント」を受けなければならない、「二重アセスメント」の状況について説明していきます。

 現在介護保険サービスを利用するには「要支援」か「要介護」いずれかの「認定」を受ける必要があります。

 区役所の介護保険認定の担当窓口に申請すると「認定調査員」が自宅等を訪問して「認定調査」を受けることになり、1か月少しで認定決定の通知と共に介護保険証が送付されます。

 介護認定は介護保険サービスを受け続ける限り繰り返し更新手続が必要です。実質上介護認定の管理は担当ケアマネージャーが行っており、万が一認定切れになると介護保険サービスが全額利用者負担となります。

 認定調査では、身体の麻痺、動作、生活行為、物忘れ、現在受けている特別な治療等の確認が行われ、それぞれがマークシート式のチェック項目となっています。

 また認定を受けるには、この調査とは別に、主治医からも「主治医意見書」が必要となります。こちらは病歴や現在の体調、身体の麻痺、物忘れ、必要とされるサービス等の内容で、認定調査と主治医意見書双方に、チェック項目を補足するための特記事項等の記載項目があり、この二つの調査が認定の精度を上げることにもなり、記載の内容の偏りもチェックする機能も果たしています。

 認定調査は主に担当しているケアマネージャーが行いますが、調査が40項目以上あり、そのすべてに特記事項で補足説明を記載しなければならない場合もあり、かなりの時間を要します。主治医意見書についても特記事項の記載項目は少ないですが、チェック項目も多く、医師によっては大変細かい記載をされている場合があります。

 この認定調査と主治医意見書が「認定審査会」にかけられたのちに介護度が認定されますが、認定を受けた後に担当ケアマネージャーが「介護サービス利用前の調整」を行う際にも、担当ケアマネージャーによる認定調査と同様の「アセスメント」が再度行われて、それを基にサービス内容の抽出を利用者・家族と行った上で、利用するサービス事業所と主治医に連絡・参加調整を行い「担当者会議」にてサービス利用の内容を合議で承認するというプロセスが踏まれます。

 このプロセスは運営基準で決められており、違反すると介護給付の減算、悪質な場合は事業所閉鎖の対象となります。

 その「介護サービス利用前」のケアマージャーによる「アセスメント」を行う「アセスメントツール」には、「MDS方式」や「全社協方式」等があり、とても細かく丁寧なアセスメントを行うことができますが、質問項目が何十とあり、実際時間のないケアマネージャーが、他の利用者の緊急な相談や調整業務を行っている中で、そのアセスメントツールをどこまで使用しているのか疑問もあります。

 また、歩行器一つレンタルするために、何十項目もある認定調査や利用前のアセスメントを二重に受けなければならないことは、利用する側からすれば、制度とは言え理解し難いのではないかと思っています。


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5章


  介護サービスの利用者の状況は、身体的な要因、物忘れや判断力の低下等の要因、また家庭環境で様々です。

 ひとり暮らしで寝たきりで認知症のある人や、体の麻痺はあっても認知症はなくて、家族からの援助を求めることができる等、利用者の状況は様々ですが、ほぼ全ての利用者がケアマネージャーに「介護サービス計画書の作成」を「委託」しています。

 介護保険制度では「利用者」が「ケアマネージャー」に「介護サービス計画書」の作成や「介護保険給付費用」の「請求業務」等を無料で委託できる制度になっていますので、利用者の負担はないので問題はないように思えます。

 しかし、介護サービスの内容は、歩行器をひとつレンタルしているだけの場合や、週1回ヘルパーに来てもらうだけの場合もあれば、何種類かのサービスを組み合わせている場合もあり、その両方について「ケアマネージャー」の所属している「居宅介護支援事業所」へ毎月1ケースにつき1万円以上(介護度により数千円違う)の介護保険給付費が保険で支給されています。(「地域包括支援センター」が担当している「予防プラン」利用者については数千円が支給されています。)

 また自宅に他人が来ることを好まない利用者や多忙な家族もいるので、利用者や家族の中にはケアマネージャーとの関わりについて疑問に思っていても、担当者会議や毎月のケアマネージャーのモニタリング訪問等を「制度上決まっている」から、自分の時間を割いて無理をして対応して、「さらに負担が大きくなっている」というようなケースもあるのではないかと思います。

 当然、不特定多数の人が利用する公的な制度ですので、「制度上決まっていることはしっかり守ってもらわなければなりません」が、利用者の状態が長期間にわたり安定しており、歩行器しか利用していないような利用者と、何種類もの介護サービスを利用している利用者への制度上の対応を同じにしていることが、現在、財源不足と言われている「介護保険制度」にとって、今後も必要とされているのかという疑問がありますし、いわゆる「介護保険料を引き上げ」たりするのであれば、もっと単純な仕組みで費用をかけずに介護サービスを利用できないのかと思っている利用者や家族もいるのではないでしょうか。


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6章


 繰り返しになりますが、もう少しケアマネージャーの業務「介護サービス計画書(ケアプラン)」について説明します。

 介護サービスを利用するには「介護サービス計画書(ケアプラン)」を書類で作成することが制度上決まっています。

 「介護サービス計画書(ケアプラン)」は何種類かで構成されています。

1票で本人・家族等の状況や意向と支援方針を記載します。

2票では意向やニーズから抽出された個別の支援を「長期目標」、「短期目標」のそれぞれ「期間を設定」して、どのようなサービス内容でどこのサービス事業所が、どのような頻度で提供するのかを記載します。

 そして3票において視覚的な「週間サービス計画書」を作成します。

 「介護サービス計画書(ケアプラン)」はサービス内容の変更時、介護認定の更新時、短期目標の期間の更新時毎に作成して、利用者から署名、捺印をもらい、サービス事業所へ配布します。

 介護保険サービスの「利用料」は、「サービス利用票」や「サービス提供票」において、「9割の保険からの給付額」と「1割の自己が負担する額」が単位数と実際の費用で記載されます。

 たとえば「デイサービス」を利用するにあたって、「基本利用料」以外に入浴や機能訓練等の「加算」がいくらの単位でかかるのか、最終的に他のサービスと合わせて、その対象月にいくらの介護保険料を支払う予定なのかを単位と実際の金額で表します。

 デイサービスやデイケア、ショートステイ等は介護保険利用の基本的な利用料のほかに、食事代(保険外)等の様々な自費負担が必要になります。(ここでは詳しい説明は省きます)

 その「サービス利用票」を利用者へ、「サービス提供票」はサービス事業所に毎月配布して、利用内容の確認・サービス提供の依頼を行い、サービス事業所では、その「サービス提供票」が対象月の「利用実績」と「請求の確認」を行うための資料としても用いられます。


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7章


  この章では、「介護認定」が利用者にとって、どのように影響しているのかについて説明していきます。

 介護保険のサービス利用には、様々な制限が設けられています。

 まず、「介護認定」について「要支援1・2」と「要介護1」から「要介護5」と7段階あり、それぞれの介護度ごとに1か月の利用限度単位が設定されており、介護度により利用できるサービス単位に違いがあります。

 「要支援」の認定を受けている利用者はヘルパーやデイサービスを1事業所しか利用できません。また利用回数の制限もあり、ショートステイについては現実的には受け入れ施設が少なく利用できない場合が多くなります。

 「要支援」の軽度の認定を受けている人は比較的に生活を送る能力があるので、それほどサービスによる支援は必要ないようにも思えますが、たとえば「要介護1」の利用者がデイサービスを二つの事業所で利用しており、状態はそれほど変わらないのに、サービス利用を通じて状態が安定していることで、次の認定の更新で「要支援2」の認定となってしまった場合は、状態の安定に貢献したどちらかのデイサービスを辞めなければ(要支援の場合は同じサービスに対して事業所は1つのみ)ならなくなり、利用者への負担をかけることになり、自分のことを解ってくれている関係の出来た事業所の職員たちと別れなければならなくなります。

 そして、また次の認定の更新で「要介護1」に戻る?ような場合もあり、またサービス内容をもとに戻すのか等の確認と調整を行います。

 ただ、実際その時には以前利用していたサービス事業所の空きがなくなっていたりして調整が困難な場合もあります。


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8章


 「要支援」の認定を受けると自動的に地域別に設置された「地域包括支援センター」の管轄になります。

 以前は「要支援」の認定を受けている利用者も「在宅介護支援センター」が包括して担当していましたが、「地域包括支援センター」の設置が制度で始まって以降は「要支援」の認定を受けた利用者は無条件に学区で設置された「地域包括支援センター」の管轄となり介護保険サービスを利用する場合は「予防プラン」の委託を行います(全額保険で給付なので利用者の負担はありません)。

 今まで通り「要介護」の認定を受けていた時と同じケアマネージャーに、介護予防サービス計画書(予防プラン)を委託することも、「地域包括支援センター」からの委託という形で可能ですが、「居宅介護支援事業所」のケアマネージャーひとりが受けることができる委託は8名までと制限がかけられています。

 委託を受けた場合、介護計画の作成、利用状況の確認等は委託を受けた「居宅介護支援事業所」のケアマネージャーが行いますが、介護サービス計画書(ケアプラン)が「要介護」と「要支援」の利用者では、「プロセスと書式が違う」ことや、毎月の請求管理は「地域包括支援センター」が行うために、実績報告等を毎月「地域包括支援センター」へ行うための事務作業が複雑になることで、「居宅介護支援事業所」が委託を受けにくい環境にもなっています。

 「地域包括支援センター」は、先ほど説明しました「要支援」の認定を受けた利用者の「予防介護サービス計画書」の作成・請求・相談業務とは別に、高齢者の重度化を未然に防ぐための予防支援や、以前区役所のケースワーカーが担っていた地域の高齢者の相談業務や地域のネットワーク作りの一部を代行する窓口として設置されました。

 「地域包括支援センター」は社会福祉士、主任介護専門員(ケアマネージャーとして、現場に5年以上勤務後に研修により取得可能な資格)、保健師もしくは看護師で構成されておりますが、設置以降その業務は「地域のネットワーク」作り等多肢に渡っているようですし、地域によっては人員確保が難しくて機能していない場合もあるようです。

 介護保険制度の要となっているケアマネージメント業務の理解や説明については、まだ不足していることもありますが、以上の実情を基に今後のケアマネージメント業務を効率化することによる「介護保険3.0」についてのいくつかの提案を行わせていただこうと思います。


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9章


 介護保険制度では始まった当初から、認定調査時の「認定調査」と「サービス利用前の状態の確認」と2回にわたるアセスメントを通じて、各利用者に必要なサービスを抽出する方式を用いていますが、介護保険制度で利用ができるサービスの内容や種類や方法が限られている以上、結果として「介護保険制度」で想定されている内容のサービスしか利用ができない状況です。

 そして以前は利用可能だったサービスが、3年と5年毎の「改定」により利用の方法や種類等が制限されてきている状況です。(揺り戻しとして緩和される場合もあります)

 それならば、今までの二重アセスメントではなくて、その人の希望している具体的なサービス内容やその希望している理由を確認していくことからはじめて、それを制度の規定に照らし合わせることで、サービスが必要とされる状態なのかを抽出する方法の方がシンプルで、利用する側も「利用できない理由」が解って、制度への理解も深まり良いのではないかと思います。

 たとえば「自室の掃除」をしてほしいと希望している利用者については、「なぜ希望しているのか」を、「身体的な麻痺があるのか」「家族では出来ないのか」等を確認していくことで、制度の規定からみて利用が必要と判断される状態であるのかを抽出することができるのではないでしょうか。

 利用者の希望する内容は「日常生活」での「具体的な援助」であり、体調や本人の性格、家族関係等は様々で、それを何十項目もあるアセスメントツールを使って必要な支援を抽出しても、希望しているサービスを制度の規定で利用できなかったり、希望の支援が介護保険で提供されていなかったりするのであれば、最初から制度で提供できるサービス内容から利用者や家族でアセスメントもサービス計画書も抽出できる仕組みにする方が解りやすいのではないでしょうか。

 現在のように最初に全体像を把握して、それから必要とされるサービスを抽出する方法の意義は大きいと思いますが、現在の介護保険サービスとして提供されているサービスでは、利用者の個別のニーズをうまく支援できない面もあるように思いますし、将来的には、より利用者や家族のニーズにフィットしたサービスの種類を増やした体系を最初から準備しておけるようにした方が良いのではないでしょうか。

 その「希望」「理由」が介護保険制度で、ニーズとして「認められる」か「認められないか」を介護サービス計画書の作成体系を前もって「選択肢」として提示しておいて、その手順を進めていくと同時に、利用者家族の状態、利用したいサービス、時間、頻度、料金が、別のアセスメントページや介護サービス計画書、サービス利用票として、自動的にそれぞれの書面に落とし込める方式を確立すれば、アセスメントと介護サービス計画書が同時に作成できると思います。

 その「アセスメントと介護サービス計画書が同時に作成できる」仕組みについてはまだこれからの段階ですが、その仕組みができて、うまく運用できた場合に、現行の介護保険制度にどのようなメリットが期待できるでしょう。


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10章


 何十項目もあるアセスメントツールからサービスの必要性を抽出するのではなくて、本人の「希望」と「状態」を確認していくことを通じて、介護保険制度の規定から、介護サービスを必要としている状態なのかを抽出して、「アセスメント」と「介護サービス計画書」「サービス利用票」が同時に作成できる仕組みは可能だと思っています。

 もし、その方法で一部の人が介護保険サービスを受けことが制度上可能になれば、もともと限度額を多く余らせている利用者にとっては「介護認定」の必要性は低くなると思います。

 例えば、「介護度」が重くても、家族の協力や本人が希望しないことで「一種類しかサービスを必要としていない利用者」等については、制度上で決まっている「利用限度額」の制限自体が必要ないので、「介護認定」を行う必要性はあまりないのではないかと思っています。


 現状では、「介護度」に応じて1か月に利用できる利用限度額やサービス内容に制限が設定されていますが、本人の意欲や家族の援助等の状況で、介護度と実際の利用頻度は正比例とは言えないこともあります。

 この10年間の制度運営を通じた経過から、利用者像をさらに明確に抽出して、介護保険制度に多様性を持たせると同時に絞り込みも行うことで、「認定制度」を段階的に廃止して、制度として絞り込んだ利用者像から「必要な人」に「必要な分」のサービスを提供できる仕組みとした方が、利用者や家族、サービス事業所も分かりやすく、保険料の負担も納得できるのではないかと思います。

 身体能力に問題はなくとも、認知症の症状と、現行の一般的な介護保険サービスとの調整がマッチしないことで、介護保険制度の狭間でサービスが利用できずに、家族の負担が大きくなって支援を必要としているケースもあると思いますので、現在は制度で行えない短時間の「見守り」等の個別のニーズを想定した「サービスの種類を増やし」て、介護認定ではなく「必要性があれば利用できる」柔軟な仕組みを確立する必要があると思います。

 そのための財源確保のためにも、あまり必要性がないと思われる利用者については、介護認定を受けなくても介護保険サービスを利用できるようにすればどうでしょう。

 それがだめなら、歩行器のみを利用している場合は、主治医の判断で認定期間を延長できるようにして、介護認定の期間更新に必要となる認定調査費や主治医意見書費、認定審査会の費用を削減することを検討してはどうでしょうか。


 ただ「希望」と「必要性」を重視するからには、制度の乱用等を防ぐためにも議論が必要で、客観的な根拠を明確にする仕組みの確立も必要ですので、根拠の明確化のチェックについては「身体面」「認知面」「周辺症状」と「生活環境」「家族環境」等に分類して、サービス開始前等や定期的に、それぞれを専門職が規定を遵守するための「根拠の確認」を制度として行う必要があると思います。

 もう少し楽観的に話を進めていきます。


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11章



仮に、介護認定を受けずに、簡単な選択と書き込みの自己申請の方式で介護サービスを利用出来る環境ができれば、ある一定の利用者や家族が「マイケアプラン」制度を希望するのではないかと期待できます。


 「マイケアプラン」について簡単に説明しますと、本来「介護保険制度」はケアマネージャーの意向でサービス利用を行うのではなく、「本人」「家族」の希望(主体)と制度の規定が前提になっています。


 「介護保険制度」の制度運営や説明の一部を「ケアマネージャー」が担っているに過ぎず、可能であれば「介護認定はすべての利用者に必要」ですが、「本人」「家族」が自身で介護サービス計画書を「マイケアプラン」として作成することが制度上認められていて、現在も少数とは言え「マイケアプラン」で介護保険サービスを利用している利用者や家族はいます。


 本来「本人」「家族」が主体になっている「介護保険制度」の趣旨からすると、「マイケアプラン」で介護サービスを利用する方が考え方としてはわかりやすく、利用する側も制度の理解や意識も深まるのではないかと思います。

  ただ、すべての人が「介護認定」を受けずに「マイケアプラン」で介護サービスを利用することが可能なのかと言うと、制度運営や本人の状態や家族環境等の様々な問題で現実的には難しい場合があると思いますので、今まで通り、本人・家族の希望がある場合や、規定を設けて制度上「介護認定」や「介護サービス計画書の作成の委託」が必要と判断される場合等においては、現行とおりの「介護認定」を受けて「ケアマネージャー」に予防・介護サービス計画書の作成を委託できれば、制度運営上の問題やサービスが利用できない等の問題はおきないと思います。

  ただ、「マイケアプラン」の場合と違い、「ケアマネージャー」に予防・介護サービス計画書の作成を委託する場合には、他の予防・介護サービス利用と同じ「1割負担」として、「介護サービス」としての位置づけを明確にして、利用者負担を求めることも今後の介護保険制度の維持・継続には必要となるかもしれません。

  ここまでの提案を実現するためには、具体的にどのようなことが必要になるのかを次章以降で考えてみます。


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12章



 アセスメントと介護サービス計画書が同時に作成できる仕組みで「マイケアプラン」により介護保険サービスを、今より多くの人が利用できるようにするにはどうすればよいでしょうか。

 一つの提案としては、先ほど提案した制度の説明、チェックを含めての機能を備え、また予防・介護共通でサービス計画書から請求まで行うことが可能な操作性の優れたソフトと、それをプラットフォーム上でのソーシャルネットサービスとして普及することが出来れば、ある一定の人が「マイケアプラン」でサービスを利用することが期待できると思います。

 「マイケアプラン」については給付費用が必要なくなりますので、もし上手くいけば、ある一定の利用者についての「介護認定」や「ケアマネージャー」への委託給付費用(毎月1万円以上)を必要としなくなると言うことになります。

 そして、そのソフトやソーシャルネットサービス(プラットフォーム)ができれば、その普及については、現在「地域包括支援センター」等が中心に推進している「地域資源」の活用とリンクさせていくことが必要で、「民生委員」の方々や「老人福祉委員」等の地域で活動されている方々や、医師会を含めて利用者に携わる方々や地域に対して、「地域包括支援センター」等が中心になって、現在「認知症サポーター研修」を各地で行っているように、基本的な仕組みやソフト操作の説明会等を各地で幅広く開催していくことが必要になってくるでしょう。

 その行程は大変かもしれませんが、その介護サービス作成ソフトを含めた介護保険制度の運用を「クラウド」によるソーシャルネットサービス(プラットフォーム)として提供できれば、様々なチェックがいろいろな視点から可能となるので透明性を確保できますし、制度の再整備や混乱を軽減することが可能だと思います。

 そうなればit環境さえあれば、どこにいてもソフト操作や説明等を受けることが可能で、オンラインによる同時説明会を全国どこでも開催することもできます。また時間的制約のある「家族」への説明については「動画サイト」等を利用することも必要となるでしょう。


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13章



 「クラウド」について簡単に説明しますと、一般的にコンピューターソフトはCDや、インターネット回線を通じて自分のコンピューターにインストール・ダウンロードして、自分のコンピューターの機能でソフトを操作したり、自分のコンピューターに情報を保存したりしますが、「クラウド」という考え方では、インターネット回線の向こう側(クラウド:雲)の巨大なコンピューターで管理されているソフトを、自分のコンピューター等のインターネット回線を通じて直接操作するため、ソフトをダウンロードしたり、自分のコンピューターに情報を保存したりする必要がなく、インターネット回線があるところなら、どこからでもインターネット回線の向こう側にある巨大コンピューター(クラウド:雲)にある介護保険サービス計画書の作成ソフトやソーシャルネットサービスを直接操作して、情報をそこに保存することも、クラウドを通じたコミュニケーションをとることも可能になります。

 極端な話、パーソナルコンピューターではなくて、携帯電話で「介護保険サービス計画書」が作成できるということになります。

 「クラウド」にある介護保険ソフトにソーシャルネットサービスとしてメール機能やテレビ電話機能(スカイプで可能)等を持たせてプラットフォームとして提供できれば、利用している各サービス事業所ともつなげることができて、利用者や家族、関係者同士の連絡調整がオンライン上で可能となり、サービス利用中の様子をテレビ電話(ユーストリームでも可能)で確認(録画機能もあればGood)したり、オンラインでテレビ担当者会議(スカイプで可能)を行う等もできるようになるでしょうし、アセスメント内容や、サービス計画書、サービス提供票、介護保険請求等を、利用者や保険者、主治医、サービス事業所等がそれぞれインターネットでプラットフォーム(クラウド)上のソフトにアクセスして確認することも可能で、ペーパーレスとなり、プラン内容の充実やチェック(実地指導や監査の効率化)や請求業務も効率的になるでしょう。

 結局は委託を含めたすべての予防・介護サービスの管理を同じプラットフォームで「マイケアプラン」「ケアマネージャーへの委託プラン」に関係なく運営することも可能になります。

 「クラウド」化には、当然コンピューターを持たない人や、コンピューターが苦手な人に対しての支援体制や、端末をいろいろな場所に設置することや、端末のレンタルも必要になるかもしれません。

 現在の介護保険ソフトを有料で提供している民間業者との兼ね合いや、セキュリティー(指紋や静脈、音声認証等が可能であればgood)等の課題もありますが、いくつかの課題をクリアできれば、より便利で包括的、かつ効率的に介護保険制度を運用していくことが可能となるでしょう。

 例えばipad2やスマートフォンのようなwebカメラ機能を装備した端末を使い、誰もがボタン操作や簡単な書き込み(ペン入力や音声入力も可能であればgood)の連続でアセスメントから介護保険サービス計画書、サービス利用票等が作成できて、利用の経過をお互いがテレビ電話で簡単に確認できる「顔のみえる仕組み」があれば、どこからも確認できて、介護保険料の請求業務もスムーズになるでしょうし、今後コンピューター操作に慣れた世代の多くが利用するのではないかと思います。

 短期間ですべての人が利用するようになることは難しいかもしれませんが、現在の「クラウド」技術やコストパフォーマンスを考えると費用的にも少ない負担で始められますし、需要(利用者)が増えれば簡単にサーバー容量を大きくできることも「クラウド」の利点でもあります。

 「クラウド」を介護保険に導入するメリットはまだあります。「クラウド」などの今後のit 技術の未来については各家庭の「ガス」や「電気」の利用状況を、各家庭に繋がっているコンピューターの回線で管理する「スマートグリッド」が想定されていますので、その回線で認知症の一人暮らしの「火の消し忘れ」等の見守り機能の一端を担うことも可能となります。

 また、各家庭にセンサーを設置して血圧等の測定を行い、インターネット回線で主治医の端末にに自動的に知らせる「体調管理」等の技術開発も始まっているようです。

 さらに楽観的にいうと、その介護サービス作成ソフトのプラットフォーム上(行政区で管理)に、規定を設けてインターネット広告を有料で掲載できるようにすれば、ソフトの運用資金や、介護保険に限定した財源確保ができる可能性もあり、より幅の広い介護保険サービスを提供する、新たな社会資源を整備していくことも可能になるかもしれません。


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14章



 この新しい仕組みを利用して「マイケアフプラン」で利用者や家族が直接、簡単に介護サービス計画書を作れるようになれば、「歩行器」レンタルや、ヘルパーで週1回の入浴介助だけを希望して、息子家族と同居しているようなケースでは、本人か家族が「マイケアフプラン」ソフトでケアマネージャー業務の一部を「クラウド」にあるプラットホーム上でできる可能性があります。

 そうなると、現在の「居宅介護支援事業所」のケアマネージャーは、自分や家族で「介護サービス計画書」を作成できない為に、「今まで通り委託が必要な利用者」からの介護サービス計画の作成業務を担当することになると思います。

 おそらく、介護サービス計画書の委託希望者については、比較的「要介護度」が重いケースや、独居等のために比較的相談業務に重点が置かれるケースが多くなり、ケアマネージャーそれぞれの技術が求められて、介護保険制度の中で「専門職」として現在以上に重要な役割を担うことになるでしょう。

 しかし、先ほどの「クラウド」による制度運用の仕組みが整えば事務的な業務の効率化が可能になると思いますし、より重点的に利用者にかかわることが可能な環境が整うのではないでしょうか。

 そのことは利用者とケアマネージャー双方が望んでいることではないでしょうか。


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15章



 あとがき


 「介護保険制度」の現状には「人材不足」や「財源不足」等の様々な課題があり、最新の技術でロボットを導入して「介護負担」を軽減しようとする試みも進んでいくでしょうが、それと並行して「介護保険制度」の仕組みをit技術の導入で「効率化」していくことも必要だと感じています。

 本書は「クラウド」技術を「介護保険制度」に導入して制度の運用を効率化することで「ケアマネージャーの業務の効率化」「支出の軽減」「制度の透明化」「財源の確保」を目的とする趣旨で書かれています。

 「クラウド」等のit技術は、まさに「介護」の分野でこそ、その役割を最大限活かすことができるのではないかと思っています。

 webカメラを使った見守り等では、すでに民間企業から「有料」で提供されているものもありますが、介護保険制度で提供されるこの技術は、水道や電気を供給するような「インフラ」として整備していく必要があると思っていますので、少なくとも「インフラ」整備ができるまでは技術会社と行政や保険者、医師会等が手を組んで進めていく必要があると思っています。

 そして何より利用者や家族の意向を反映したものでなければなりません。

 かなり楽観的な提案となってしまったかもしれませんし、様々な課題や議論をクリアしていかなければならないでしょうが、現在のit技術を用いれば決して不可能な話ではなく、充分に可能な提案だと思っています。

 今後も介護保険制度を維持・継続していくためには大きな変革が必要であることは皆が解っていると思います。

 本書にお付き合いしていただいた方に感謝いたします。


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